本研究を一言にすると、「バイクトライアル競技用自転車を作りました」で終わってしまいます。それはをれで楽しそう ですが(笑)
しかし、メーカーにおけるこの競技向け自転車の開発は今まで、設計者とライダーの経験とカンによるものでした。そこで私たちは、「具体的な数値を導き出すとともに数値解析を用いることでもっと良いフレームが作れるのではないか」と考えました。これが、本研究のスタートとなりました。
これに、「せっかく軽量化するなら・・・」
ということで、よく注目を集めている炭素繊維強化プラスチック(以下CFRP)を使用することになりました。 今までこの競技向けの自転車はにCFRPを使用したフレームそのものが存在していなかったのです。

そして・・・
この研究室の得意技である開発に有限要素構造解析を採用し、CFRPの材料試験を行い、試作モデルを製作しました。
しかし、完成した試作フレームの設計における条件の不足により、壊れてしまいました。
このことをきっかけに実用フレームではそれまで足りなかった要素を考慮に入れた設計を行いました。
こうして以下の実用車が完成しました。

このフレームでの実験ではなかなか良い結果を得ることができました。
そして競技用自転車である以上、実践での評価が必要である!
と考え、近畿地区大会に参戦し、14人中7位とまずまずの結果を残しました。
ちなみに・・・
下の画像の選手は当研究室の学生であり、自転車大好き人間の小松君です。
またプロライダーやメーカーの開発者の方にも試乗していただき、そこそこの評価をいただいています。なんでもチタン製フレームに似た乗り味らしいです。

これで一応は、CFRPを使用したバイクトライアル競技用自転車の開発は成功したと考えています。
しかし・・・
まだ課題も多くあります。
今後は設計における各目標剛性値の明確化やライダーの体重等における目標値の変化の把握が大切になってくると考えています。
また今回はアルミ合金とCFRPのハイブリッド製でしたが、いづれはフルCFRP化を達成してみたいですね。
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