クレーンフックの強度解析


1.問題の記述
全長416mm、全幅215mmのクレーンフック(図1)の負荷部分(図1C)に全荷重5tを与え、ASA[1]により応力解析を行う。ここでは適合要素と非適合要素による解の比較を行う。

2.モデル化

図1のクレーンフックの形状に対し、6面体ソリッド要素の要素メッシュを自動生成し、ASAによりFEM解析を行う。

  境界条件:ポイント@のx方向、z方向
        :ポイントAのz方向拘束
        :サブエリアBの法線方向(y方向)
  荷重条件:セグメントCのy方向に全荷重5tを負荷

 

 

 

図1 形状

 

3.解析結果

図2、3は要素数が1071の場合の変形図および最大主応力図を表している。

変形前                 変形後

2 変形図

 

 

 

3 最大主応力図

 


表1、図4は点Aにおける最大主応力を適合要素、非適合要素(曲げ)、非適合要素(曲げ+バブル)で計算した結果の収束性を検討したものである。この曲げの問題では、非適合要素は適合要素に比し、収束性に優れていることがわかる。ここで参照解は、要素数を限りなく大きくしたときの収束解としている。

 

表1各種の要素メッシュによるA点最大主応力

 

 

4各種の要素メッシュによるA点最大主応力の比較



 


参考文献

[1] M.Tanabe, Software Architecture for Effective Finite Element Structural Analysis on Microcomputer, ASME PVP, 177, 99-104,1989.


神奈川工科大学 工学部機械工学科・大学院工学研究科機械システム工学専攻
田辺研究室